さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

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Bags of Radioactive Waste in Fukushima

福島の惨事から5年。3・11に関連し、重要と思われる記事や、力のこもったいい記事がありました。そのうちのいくつか。私たちは、たえず問題意識を失わないようにしたいものです。

事故が収束してもいないのに、再稼働の既成事実化をすすめようとする動きに司法判断として牽制。
高浜原発:運転差し止め 稼働中、初の仮処分 大津地裁 - 毎日新聞

森林も除染しないと、動物は移動するし、安心できないはず。
福島県知事:「森林除染せず」方針に見直し要求 - 毎日新聞

生活空間を奪われ、健康も奪われ。
東日本大震災:福島第1原発事故 被災者糖尿病リスク 事故後、6割増 南相馬・相馬 - 毎日新聞

コミュニティも森も田畑も消え、自分をはぐくんだふるさとがいまや、放射能汚染土をつめこんだ黒いフレコンバッグflexible container bagが積み上げられた核のごみため場にかわってしまった、その悲しみがいかほどのものか思わざるをえません。
Fukushima Daiichi NPS today- 5 years since the disaster began ~Nuke Info Tokyo No. 170 | Citizens' Nuclear Information Center
記者の目:東日本大震災5年 福島・飯舘村を歩く=井上英介(東京社会部) - 毎日新聞

これ仮においてあるだけで、ポリエチレンですから、予想できるように、破れてしまいます。
除染廃棄物314袋が流出、うち3袋破れる 福島・飯舘:朝日新聞デジタル

原発ビジネス優先も、保育園待機児童問題も根は同じ。山尾志桜里って元気ですね。2/29の予算委員会の質問、全部は見てないですけど、安倍政権を「都合の悪い声は徹底して却下する」と批判したのは愉快痛快。
山尾しおりのブログ:山尾しおり(山尾志桜里)/衆議院議員/民主党 愛知県第7区 総支部長/瀬戸市・尾張旭市・長久手市・日進市・東郷町・豊明市・大府市
by kamiyam_y | 2016-03-11 00:03

生の破壊

12万5千人にいまだに避難生活を強いている原発事故。東電に4900万円の賠償を命じた判決。まともで画期的。
東京新聞:原発避難「うつで自殺」 東電に賠償命令 福島地裁:社会(TOKYO Web)

自殺までの経緯に原発の本質がつまっています。
「自殺と原発事故に因果関係」東電に賠償命令 NHKニュース

自己の親しんだ世界を突如奪われる苦しみ、自己を引き裂かれ、自己を略奪される悲劇。
自分の畑、自分の家畜、自分の家が自分から切り離され死ぬこと、地域の人間関係が枯れ果てること、自分を囲んでいた美しい風景から切断されることは、その人の生を絶望的に狭めてしまいます。

長時間労働を促進する反労働者的法解体をめざす蓄積欲求に対して縛りを外してはなりません。前回の安倍政権が企んで失敗したホワイトカラー・エグゼンプションですから、今回も断固阻止を。
【ホワイトカラー・エグゼンプション】 第1次安倍政権でも検討したが、「過労死促進」などの批判を浴びて断念した経緯があるいわく付きの制度 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
新労働時間制度:過労死遺族、導入中止を申し入れ - 毎日新聞

無論誰の目にも明らかなとおり、労働者総体が「創造的な働き」を求めて労働時間規制を取り払えと要求したことなどありません。労働力を買う側の長時間使用の権利を「創造的」と称しているだけであり、買う側の「自由」は実態としては労働者の自己の生産手段からの自由(分離)、労働者が他人の手中にある自己の社会的生産体系によって過労死する自由にすぎません。
by kamiyam_y | 2014-08-27 19:29 | 民主主義と日本社会

Onkalo

人権圧殺国家プーチン・ロシアにおけるLGBTI抑圧を批判してオバマがソチ欠席。私ももちろん欠席します。
ソチ冬季五輪:露同性愛者抑圧、抗議し欠席 オバマ米大統領示唆 - 毎日新聞

差別立法成立は去年の今頃でしたね。
http://www.amnesty.or.jp/get-involved/ua/ua/2012ua348.html

ロシア反動政府は人類が止揚すべき諸々の反動の1つにすぎない。労働する諸個人の人権を軸とする民主主義の徹底として社会づくりを進める方向が未来を切り開く道。安全を優先する持続可能性もこの方向に含まれます。企業も社会的労働組織として人権擁護を積極的に打ち出す時代。
WE BELIEVE IN LOVE 愛でつながろう - LUSH ONLINE

「100,000年後の安全」(マイケル・マドセン監督。INTO ETERNITY, 2010) 。日本語版ナレーションは田口トモロヲウィキ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005Y375CY/uplink_jp-22/ref=nosim
http://www.intoeternitythemovie.com/
Into Eternity (film) - Wikipedia

社会的意義を尊重して発売元が無料配信中。10日昼まで、あと数日です。たくさんシェアされてますね。
http://www.uplink.co.jp/100000/2014/

成長主義の膨大なコストを未来の私たちに押しつけてよいのか。すでに「10万年」残る「25万トン」以上の放射性廃棄物を排出してしまった21世紀初頭の私たち。放射性廃棄物は今の人類が「処理する義務がある」(16分10秒~)
by kamiyam_y | 2014-02-06 06:07

内面化した脱原発とその表現

喫茶店のはしごをしたら気持ち悪くなっただ。コーヒー飲みすぎ。

本屋で買った小熊英二編著『原発を止める人々―3.11から官邸前まで』(文藝春秋社、2013年)を読んでました(Amazon)。

「それぞれの証言」という記録は3.11以降の変化の貴重な資料です。

小熊英二「盲点を探りあてた試行」では、「日本の人々自身に自覚がない」が原発ゼロを達成していること(289頁)、再稼働反対が保守的日常感覚に浸透し、「要求」が「保守的」かつ「急進的」なものとなっていること(291頁)が論じられています。

原発依存からの脱却はすでに無自覚な共同精神であり、この方向性は本書のような形で自覚化されているといえましょう。
by kamiyam_y | 2013-12-19 20:51 | 民主主義と日本社会

まっとうな社会的自由としてのデモ:技術と社会

野間易通『金曜官邸前抗議』(河出書房新社)、第6章の最後の節にある柄谷行人のせりふ、なかなかいいです。興味のある方は買いましょうということで、ここには書きませんけど。

その少し前の箇所に鎌田慧の指摘として、原発建設に対して反対し勝利したところがたくさんあるが「論理で危険だと訴えても、カネの力で推進してくるものには勝てなかった」と書かれてあります。

「カネの力」ですね。気になるので、大きな枠組みに入れ込んで「技術」への考え方を繰り返してみます。技術は合理的だから合理的に管理すれば安全、つまり安全という生活の権利は技術によって本質的に解決済み、安全の問題は技術の問題、とみるのが、私たちの思考にあって偽の安定性を求める態度でしょう。こういう態度においては、技術が人間のために利用されているか、労働者と環境破壊を破壊する非倫理的な技術を他の選択支に優先していないか、といった問を立てることができません。技術の非合理的利用・非合理的技術の普及という問題はあらかじめ排除されてます。廃棄物を処理できず壊滅的な事故に結びつく技術を、非合理的かつ非倫理的と呼ぶことにためらいは不要です。

鎌田が述べている「カネの力」の作動を媒介して考えるってことですし、「カネの力」を労働する諸個人の諸力の否定的な発現として捉えるということ。カネとして介在してくる経済的諸関係自身を私たちが管理できないというシステムのありかたを抜きにして、自然(技術)と生活(安全)が一致すると想定するのが私たちの思考の怠惰ですが、同時に、カネの力がモノに擬態して背景に溶けてしまうことを積極的にここではカネの力が自ら突破し、私たち自身の諸関係を私たちが管理することの必然が示されているともいえます。

私たちの集合力の諸関係が生活を破る威力として、制御を要するものとして出現し、私たちに問を投げかけることで、私たちが疑い、声をあげ、学び、自らの社会的開発を進めていくという必然。

ちなみに、技術そのものを社会的安定と混同するような、安全な原発という形容矛盾に固執する原発共同体的幻想の裏返しは、資本主義的利用から切り離された技術一般の未完成・根源的悪を主張するような反生産力主義ですね。

という話はあくまでも問題の一般的な枠組みです。日本における原発の拡大という個別的事情はその諸要因を歴史的に探求すればよい。ここでは細かいことは無視ってことで。

野間さんの本から逸れてしまいましたが、本書はデモする社会というあたりまえの民主主義について考えさせてくれる歴史的証言です。
by kamiyam_y | 2013-01-28 23:57 | 労働論(メタ資本論)

届いた本

予約注文していた野間易通『金曜官邸前抗議-デモの声が政治を変える』(河出書房新社)が届きました。幅広の帯に小熊英二などとならんでアジカンの後藤さんの一言もあります。まだ読んでないですけど、面白そうです。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309246109/
by kamiyam_y | 2012-12-19 22:42 | 民主主義と日本社会

両議院の同意なしに

国会の同意なしに首相権限で原子力規制委員会を発足させてしまうのか。原子力規制委員会の委員長を田中俊一前原子力委員会委員長代理に、委員を中村佳代子日本アイソトープ協会主査、更田豊志日本原子力研究開発機構副部門長、島崎邦彦地震予知連絡会会長、大島賢三元国連大使に任命するのだそうな。

http://www.47news.jp/47topics/e/234386.php

国会が認めないムラ寄り人事を強行です。

原子力規制委員会設置法

(委員長及び委員の任命)
第七条  委員長及び委員は、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 委員長の任免は、天皇が、これを認証する。
3 国会の会期中に、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合その他の特に緊急を要する事情がある場合であり、かつ、委員長及び前条第三項の規定により委員長の職務を代理する委員のいずれもが欠員である場合(以下この項において「緊急任命が必要な場合」という。)において、両議院又はいずれかの議院が緊急任命が必要な場合である旨の文書を添えた第一項の規定による委員長に係る同意の求めがあった日(同項の規定による委員長に係る同意の求めがあった後に緊急任命が必要な場合に該当することとなったときにあっては、その旨の通知を受けた日)から国会又は各議院の休会中の期間を除いて十日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長を任命することができる。

附 則 抄
(最初の委員長及び委員の任命)
第二条  この法律の施行後最初に任命される委員の任期は、第八条第一項本文の規定にかかわらず、四人のうち、二人は二年、二人は三年とする。
2  前項に規定する各委員の任期は、内閣総理大臣が定める。
3  この法律の施行の日が国会の会期中である場合であり、かつ、この法律の施行の際原子力災害対策特別措置法第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合において、両議院又はいずれかの議院が原子力緊急事態宣言がされている旨の文書を添えた第七条第一項の規定による同意の求めがあった日(同項の規定による同意の求めがあった後に原子力緊急事態宣言がされたときにあっては、その旨の通知を受けた日)から国会又は各議院の休会中の期間を除いて十日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、この法律の施行後最初に任命される委員長又は委員を任命することができる。
4  第七条第四項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第七条第四項中「前項」とあるのは「附則第二条第三項」と、「されたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったとき」とあるのは「されたとき」と、「委員長」とあるのは「委員長又は委員」と読み替えるものとする。
5  この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命について、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第七条第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから委員長及び委員を任命することができる。


「両議院の同意を得て」と書いておきながら、すぐに首相による任命という抜け道を用意したのか?人民の意思は執行権力ではなく立法権力にまず表出されるのではないんでしょうか。

河北新報社説が「規制委に何より求められるのは、原発の安全規制を骨抜きにした『原子力ムラ』からの決別」というとおりで、人民としては原発廃止する気があるのか信頼できないわけです。

http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/09/20120913s01.htm

次の東京新聞社説に「中村、更田両氏は原発や核燃料再処理に関係する機関に勤める従業員の就任を禁じた規制委員会設置法に違反する疑いすら濃厚である」とあります。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090602000150.html

たしかに7条の7項に反してるんじゃなかろうか。

7  次の各号のいずれかに該当する者は、委員長又は委員となることができない。
一  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二  禁錮以上の刑に処せられた者
三  原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者
四  前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者

by kamiyam_y | 2012-09-14 17:49 | 民主主義と日本社会 | Trackback | Comments(0)

原発ゼロへ

原発ゼロの選択肢が支持されてます。

http://mainichi.jp/select/news/20120802k0000m020082000c.html

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0401I_U2A800C1NN1000/

電力会社と経済界の意図する原発推進のために政府与党が意見聴取会を開いたとしてそのねらいは外れザマーミロです。急に「慎重に」とか言い出すなよ。

政府も民意を正当化の道具にすることが面白いといえば面白い。階級社会の国家がこれまでであっても何らかの形で社会の平均的利害を実現することに配慮せざるをえなかったこと、人々が自己疎外的でその関係が非人格的な社会でもその疎遠な共同体が人々の生存の再生産をおこなわなければ維持できなかったことは事実ですけど、現代においてはとりわけ民衆一人一人の意向が国家の根拠として意識されているのがやはり前進。

一人一人といえば、拡がるデモもまた《個人》を前面に出していることに偉大なる進歩。組織に命じられた行動を原理にすることなく、他のイシューの主張や組織拡大のための参加を、主催者も参加者自らも押さえている点に新しさを感じますね。
by kamiyam_y | 2012-08-08 03:51 | 民主主義と日本社会

デモする理性の戯れに

脱原発集会:「17万人」参加、最大規模に 代々木公園- 毎日jp(毎日新聞)

デモに実在する人間本質、その行動によって日本社会は変革を希求する感性を表出しています。

この列島でも多様な表現の自由として実践的な労働的人間本質が開花している。札幌にもデモの波がやってきましたが、今回代々木は警察発表ですら7万5千人、すごい。

「電気のために子どもの未来を危険にさらすべきでない」という坂本さんの言うのもその通りで、次世代にツケを残す振舞いは非倫理的です。まあ、著名人の言葉が流通するのも一種の物神崇拝でしょうけどね。

写真を見て。

第1に、いろんな人が来てるのがすばらしいように思えます。動員された的な人もいそうですけど、まあ。

第2に、代々木公園のなかの方にいたらウンコしたくなってもトイレに行けなさそう。トイレ近い人には、空間的時間的に放散しつつ収斂するようなデモないしムーヴメントの運動形態が必須でしょうね。
by kamiyam_y | 2012-07-17 06:35 | 民主主義と日本社会

再生可能エネルギー

子供も大人も、老いも若きも、愚者も賢者も、紫陽花革命に集う。デモに自由に人々が結集するそのことのなかに社会が実在し、デモを自由におこなうことが社会の変化そのものだ。

7月になり固定価格買取制度が始まりましたね。再生可能エネルギー事業に資本を参入させることは大きな力となります。社会的制御を欠く資本の力が環境を破壊するとともに、現在不可欠の智慧は制度的方向付けにおいてこの力を利用する戦略です。

http://bit.ly/N9wsIm(毎日新聞)

安全な環境をつくるという公共的目的のために、社会的生産の力を集約している私的諸資本を参加させるのです。再生可能エネルギーの政策的な開発は、現在貨幣の力の有意義な発揮を土台にして実現するほかはありません。われわれの共同体は疎外され貨幣として実在するのですから。再生可能エネルギーへのシフトは、安全で安心しうる環境をえようという国民的合意によって生産過程に国民的介入を行う試みであり、諸個人の生活の安全な基盤を計画的につくりだす試みにほかならない。この買取制度もこの人類史的試行錯誤のなかで有意義に作用してほしいものです。

大島堅一がこの制度の肯定的な可能性についてつぶやいてました。紹介しているレポートは読んでないですけど。

http://twitter.com/kenichioshima/statuses/60618432705601536

風やら水やら土やらからエネルギーを得るというと、なにか歴史に逆行しているかのような印象をもたれる人もいるでしょう。けれども、たぶんちがいます。

作業機は……しばしば馬などによって運動させられ、もっとまれには不安定な風力によって運動させられました。しかしだんだん水が利用されるようになりました。けれども、水力の使用もさまざまの不便と結びついていました。こうした不便は蒸気機関の発明によってやっと取り除かれました。そこで工場の所在地はもう、激しい水流という立地に縛られていることがなくなりました。それまで既存の自然事情に依存していた動力の程度が、その後はまったく人間の統制に服せられ、それからは同じ動力機できわめて広範囲にわたる伝導装置ときわめて多数の作業機とを駆動することができるようになりました。
(ヨハン・モスト原著、カール・マルクス加筆・改訂『マルクス自身の手による資本論入門』大谷禎之介訳、大月書店、2009年、90頁)


資本は労働過程を包摂し、協業、分業という労働の社会的組織化を実現します。しかしそれは資本にとって限界となり、変革は労働手段の変革に旋回します。「産業革命」ですね。

発展した機械は、原動機、伝導機構、道具機/作業機という3つの部分からなっていて、産業革命を導いたのは、このうち道具機の発展です。道具機は労働対象を変化させる部分。道具が機構化されて道具機に転化することで、労働手段は「人間の器官の数と規模」から解放され、それが独自の伝導機構とふさわしい原動機を獲得する。

道具機/作業機を運動させるための動力の源としては、気まぐれな馬や、不安定な風ではなく、安定した燃焼を利用した蒸気機関が、安定的に制御できどんな道具機にも適用できる汎用的な原動機をなすものとして定着します。これにより工場が動力のために川の近くになければならないといった場所的制約も資本は解除。

このことは、発展した社会的生産であれば必ず蒸気機関を動力機として用いるものでなければならないとか、蒸気機関による生産を大工業と呼ぶ、という意味ではありません。水力や風力から蒸気機関へと動力の歴史的流れからみると、再生可能エネルギーは過去への復帰にみえますが、それは皮相な見方というもの。

再生可能エネルギーの利用はじつに高度な制御能力を求めるのであり、これも蒸気機関同様に科学の適用による協働という場面のなかでの技術の具体的姿態です。再生可能エネルギーの利用もまた、人間に対して疎遠であった自然が、その潜在的な人間との同一性を科学として顕在化し、技術形態として新たな形態をとることです。
by kamiyam_y | 2012-07-03 03:27 | 成長主義と環境