さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

カテゴリ:自由な個人の権利と国家( 61 )

欧州難民危機

イタリアの首相が「すべての人々を救助するという欧州の理想を取り戻す必要がある」と述べたように、世界を動かした難民アランちゃんの悲しい写真。
難民男児遺体:「映像に世界が震撼」欧州首脳にも波紋 - 毎日新聞

先進国市民が暖かく難民を迎える様子。犠牲を強いられた人に対して、いてもたってもいられずに手をさしのべる人間としての共同本質が現れています。問題はまさに「連帯」なのだ、と(2:29)。
オーストリア:あたたかい歓迎 - YouTube

昨年、難民はなんと6000万人。かれらを外部として、閉じ込め、死を強制するのか、自己として、悲劇に遭った隣人として迎え入れるのか、先進諸国の人間性が、差別なき人類社会の創出に寄与できるのか、問われています。
グローバル・トレンズ2014:家を追われた人の数が史上最多6000万人に - YouTube

安倍もクソなら、経団連もクソ。マッチポンプ。社会的生産者としての倫理性もなにもない。
武器輸出の推進を提言 経団連、防衛産業強化求める:朝日新聞デジタル
by kamiyam_y | 2015-09-24 22:12 | 自由な個人の権利と国家

治安維持法

11/21にアップした短文に若干手を入れて再掲載します。

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秘密保護法案:ノーベル賞学者ら抗議声明「戦争へと…」- 毎日jp(毎日新聞)

秘密保護法案は自由な諸個人の共同体の形成という人類の進歩に反しています。

【秘密保護法案】 声明など(1)  : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:特定秘密保護法案の閣議決定に対する会長声明
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:特定秘密保護法案に反対し、ツワネ原則に則して秘密保全法制の在り方を全面的に再検討することを求める会長声明
日本:特定秘密保護法案、表現の自由の侵害に対する深刻な懸念 : アムネスティ日本 AMNESTY
FCCJ - Homehttp://www.fccj.or.jp/images/FCCJ-State-Secrets-Protest-jap.pdf
(異議あり 特定秘密保護法案)官僚の性、秘密は増殖する 丹羽宇一郎さん:朝日新聞デジタル

東京新聞が沖縄密約を例に法案の反民主主義的・反人民的・反理性的・反民主国家的性格を解説。国民の意思たる立法府を無視して執行権力を構成する官僚が金を支払っても秘密にされてしまうわけです。

東京新聞:特定秘密保護法案(5) 新しい権力が誕生する:社説・コラム(TOKYO Web)

現代社会の基本原理に対して暴力的な振舞。自由な民主社会においてあってはならないことです。基本的人権(表現の自由という精神的自由権)の侵害、透明性の否定、情報公開disclosreの否定と知る権利の否定という主権在民の否定、法治国家の否定、法律の拡大解釈と権力の恣意的行使と乱用の危険性、民主社会の正義に反する疑惑だらけの代物を出してきて強権的。

現代社会に妥当する普遍的で絶対的な性格をもつ社会理論は、憲法に表明されている個人を起点とする把握(これを労働にもとづいて包摂することが個人否定的な全体を正当化することに転じる原子論の超克でもあるのですが)です。人間は社会的に存在し、社会的組織を自己の延長にもしていますから、諸集団を個人の自発的な行為によるものとして自覚的に組織することが社会の進歩性を証します。国家は人権と人民主権に正当化されながら、その実態を人権と民主主義に対立させてしまわざるをえません。人民に疎遠に独立化しているその統一性としての国家は、その閉じた全体主義的姿態を、人民に由来するものとして開かれたものに転換するべく批判されねばなりません。
by kamiyam_y | 2013-11-30 22:47 | 自由な個人の権利と国家

ヘイト・スピーチにおける中核としてのデマ 、醜さの極致ザイトク的妄想虚構を撲滅一掃根絶しようぜ!

発売されたばかりの野間易通『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)が届きました。

「在日特権」の虚構 :野間 易通|河出書房新社

「エスニック・マイノリティに対する憎悪煽動」(4頁)をなす「在日特権」言説に対する「カウンターススピーチ」の「集大成」(8頁)として書かれています。

日本版世界の屑ネオナチのザイトクらの言説の核である「在日特権」というネトウヨが拡散するデマの類い が検証されしばかれてます。歴史研究を専門とする学者にあってこそこういう作業は、ネトウヨの妄想はあまりにも下らないと無視することなく、できうるかぎり遂行すへき責務のように思います。自分への反省もこめて野間さんのこの仕事を多くの良識ある人々に知ってほしいと願います。

(「美しい国」日本で、現時点で陛下を統合の象徴とする開かれた、人権による統合と平和を謳う我等が立憲民主国家日本においてヘイトスビーチなど絶対的な撲滅対象たることは、日本列島の人民の常識てすわ。)
by kamiyam_y | 2013-11-26 20:41 | 自由な個人の権利と国家

社会倫理の欠如

レイシズムみんなの力で撲滅へ民主主義での社会の自浄

福井のみなさんも大変です。

夏の異変、蛾が大量発生 福井県大野市、市民騒然 (福井新聞ONLINE) - Yahoo!ニュース

とうとう毎日jpに登場。柏舞舞メジャーデビュー。

http://bit.ly/19RZ2Ob

駆除・掃除の係はきついなあ。ビニル袋にたくさん詰めるんでしょうか。ちなみに、こやつら札駅付近では見ません。ほとんどススキノ側。

もうひとつ虫ネタで。こんなのはどうでしょう。

薬用ゴキブリ100万匹逃げる - 国際ニュース : nikkansports.com

生産過程の結果は生産物ですが、生産物になるべきものが生産過程から逃げた。あるいは在庫が逃げた。漢方薬の原材料になれば、これらの生産物は労働対象として漢方薬の生産過程に入ります。

生産過程の副産物である廃棄物は、別の生産物生産のための原材料に転化したり、自然に放出して自然によって分解されたりしてきました。循環型の封建制経済では人々の生産活動は直接人間の身体を動力とする道具をもちいた小規模生産で、廃棄物もいわば《生態系》が処理してくれたとでもいえます。生態系の自浄能力の範囲内。

これに対して現代はどうでしょうか。現代社会いいえかれば資本主義経済は、自然諸力を巨大に用いる現代技術を剰余価値生産・資本増大の目的によって飛躍的に発展させ、社会全体としてはこうした生産力の合理的管理を欠落したまま、科学技術を無政府的に破壊的に利用しつづけ、みずからの限界を露呈していきます。資本主義は生態系を破壊するような生産拡大であり、そこでは廃棄物が環境に配慮されず捨てられ、公害問題や環境問題が発生し、それらがまた生産力の管理を社会に要求しつづけています。

原発事故現場から流出する廃棄物を制御できない悲惨な現状。

フクイチの汚染水流出はきわめて深刻な事態となっていますね。7月に東電は放射性汚染水の海洋流出の事実を認め(http://mainichi.jp/select/news/20130726k0000m040085000c.html)、8月になって地下水だけではなく2・3号機の地下トンネルからの流出を推定(http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130822dde001040074000c.html)。地上タンクからも漏洩(http://mainichi.jp/opinion/news/20130822ddm003040112000c.htmlhttp://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130825ddm001040050000c.html)。

BBCもみてみましょう。世界史的大事件であり、環境に国境はありませんから関心事としてきちんと報道されているのがわかります。

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-23425570

非常事態が続いており大変なことになっているのに、海外に売り込みとは恥知らずですね、政権の面をした原発販売資本。価値増殖への渇望が人間たちの仮面をつけて正義を破る。規範を突破する貨幣人間、社会倫理の欠如。

英国のトロースフィニッド発電所の廃炉の過程を毎日が取材しており、これによるとすでに20年の廃炉作業を経て、まだこの先70年かかると。解体に無頓着に生産・利用された無計画的、無政府的な科学の応用の結果ですね。解体に90年にわたる計画性を要する。ものすごいコスト。

英国:原発「解体先進国」 稼働26年、廃炉に90年- 毎日jp(毎日新聞)

さて、人類史に輝くキング牧師のかの演説‘dream’(荒このみ『アメリカの黒人演説集』岩波文庫、Amazonhonto)から50年。ワシントン大行進50周年を記念するデモが合衆国で開催され、28日にはオバマも演説予定です。黒人差別、民族差別、移民差別、LGBT差別、女性差別、障害者差別、マイノリティー差別などあらゆる差別の撤廃と暴力廃絶、働く権利実現・雇用確保を訴え自由で平和な社会をつくる夢の実現へ向けた結集。

http://www.reuters.com/article/2013/08/24/us-usa-dream-march-idUSBRE97N03W20130824
http://www.jiji.com/jc/p_archives?id=20130817175257-0015031639
http://mainichi.jp/select/news/20130809k0000m030035000c.html
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013080800566&rel=j&g=int&relid=1_3
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-21/2013082106_01_1.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-26/2013082601_04_1.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013082500037
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130825/amr13082508130000-n1.htm

これに呼応する差別撤廃東京大行進実行委員会が署名を呼びかけています。

キャンペーン | 人種差別撤廃条約の誠実な履行を求める署名 | Change.org

外務省のサイトにある言葉を用いれば(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/)、差別撤廃条約は「人権及び基本的自由の平等を確保するため、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策等を、すべての適当な方法により遅滞なくとることなどを主な内容」としているのですから、「遅滞なく」適切な手段を政府はヘイトスピーチに対して講じなければなりません。


 舞舞蛾
  はかない命
   ヘイト蛾も
    みんなで駆除して住みよい社会
by kamiyam_y | 2013-08-26 19:28 | 自由な個人の権利と国家

カウンターの重要性

ヘイトスピーチが新聞でもとりあげられるようになりましたけど、新大久保で起きていることをめぐる実情の正確な理解にはやはりまだ不十分。次のブログが端的にまとめています。

清義明のブログ Football is the weapon of the future REDUX くさいものにはフタをしろ!-初心者でもわかる在特会一派とカウンター活動-

「欧米だと、人種民族差別に対するカウンター運動は日常的にある」と書かれているように、放置することによっては差別主義の暴虐非道はなくならない。差別主義を抑えることは自由で民主的を標榜する体制にあって普通に公共的かつ倫理的な行為です。
by kamiyam_y | 2013-07-15 23:07 | 自由な個人の権利と国家

ヘイトスピーチ根絶へ(続々々)

差別主義/レイシズム集団のヘイトスピーチに対して、新大久保も鶴橋もその数倍、カウンター的意思表示、差別反対の意思表示をするまともな人々が集結したようですね。

ノンポリであれ支持者であれ政党員であれ何であれ、右派であれ左派であれ、保守であれ革新であれラディカルであれ何であれ、正常な人間であれば新大久保などで行われている差別主義的蛮行を絶対に許すはずがねえ。人間社会を存立させる人間の根源的信頼を破壊する行為は万人の恥というべきものだべ。

人間は自己を自己から区別して自己に向うことのできる普遍的存在であるがゆえに、他者を自己にとらえ、他者に自己を見いだす共同的・社会的な存在であって(感覚的にいえば共生し、想像力をもった存在であって)、労働の普遍性から生じる共同性は先進資本主義国家にまで成長してきました。この資本主義国家の理念的姿として近代国家を位置づければ、それは即座に前近代的封建的諸国家という社会的労働を解体したシステムであって、それはじつは(理念的潜在的に)国家を超えた諸個人の普遍性の存在を想定しています。肌の色や国籍を超えて一国内の住民が同じ人間として共同的に社会を形成しているのも、また一国家の外部の人間をも諸先進諸国家が国際的に支援するのも、そもそも身分制的差別を社会的労働の秩序にしている前近代的共同体的掟を解体して登場したのが近代国家にほかならないからであるともいえましょう。何よりまた人間は自己の所属する共同体を超えて他の共同体の人間をも人間として理解するのでもありますし。

レイシスト集団もまたこの現実社会の分裂した共同性の1つではありますが、普遍的人間を抽象した国家的普遍性において絶対的に承認されえないゆがんだ共同性というべきであります。つまり人権という普遍的な人間の世界において徹底的に排除されるべき、社会のゆがみです。人権として表現された人間の普遍性という近代の前提は20世紀の悲惨な相互殺戮の経験を経てようやく確認されたというべきでしょうか。近代の表現の自由等は社会の分裂という内容によってこういうゆがみにもつながりますけど、ゆがみを正そうとする試みによって社会総体は自由な人間の具体的な発展としてのありようを促されもまたします。

とすれば、全世界のまともな人間は、差別主義からの攻撃を受ける新大久保や鶴橋の住民、観光客を絶対的に全面的に支持し、差別主義撲滅をめざすのです。

日本の女子中学生が「朝鮮人を大虐殺する」との動画が、韓国で物議 2013/04/04(木) 10:21:53 [サーチナ]

この記事に「『恥ずかしい。子どもにヘイトスピーチをさせちゃだめだ。この少女はまだ中学生。自分を含めて、すべての大人たちの責任』と記している」とあるとおり、少女にネオナチ的発言をさせる社会をつくってしまった私たち自身の責任を考えざるをません。まともでない人間を生み出すのは私たちの社会であり、私たちの社会がまだまともたりえていないということであって、自己の問題として先進的な人民私たち諸個人はこれを理解し乗り越えていくほかありません。

「新大久保コリアンタウン ホットガイド」にも差別反対のバナーが表示されてます。被害損害危害危険恐怖暴力、人間蔑視、人権否定いったいどれだけのものか。
http://hot-korea.net/

差別主義に反対する意思表示のためには、プラカードだけでなく「LOVE新大久保」と書かれた風船も用意されています。ハート型の風船の写真はこちら編集長による記事にも。
http://hot-korea.net/modules/xpress/loveshinokubo/

このページの3番目の写真は、The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME(http://shitback.tumblr.com/post/44925915282/the-bridge-remix-ecdillreme-by)のものですね。

31日の「帰れ」コールがすごかったというのはネットで確認できます。ヘイトスピーチ集団の一員であろうとも客観的に物事を見る力が残っていれば、まともな人間性が残っていれば、当然反省し離脱していくにちがいない。反人間的人間、反社会的人間にも残る人間本性が作動する。倫理や良心といった内面的で共同的な規範がレイシスト集団を解体しきることはないであろうし、そうであるがゆえに、私たち自身とその社会のためには、法律という外的規範、国家権力の力を作動させるほかないでしょう。

31日に先だって、弁護士たちが声明を発表し、東京都公安委員会・警視総監に申し入れ、東京弁護士会に人権救済を申し立て、この日本の恥に対する法律的国家的制裁に乗り出しました。
新宿区新大久保地域で行われる外国人排撃デモについて - 川崎市中原区の法律事務所 武蔵小杉合同法律事務所トピックス

会見の模様はこちら。
Ustream.tv: ユーザー iwakamiyasumi: 130329 新大久保ヘイトスピーチデモに関し、警視庁への申入れと人権救済申立ての記者会見, Recorded on 2013/03/29. 政治...

13分あたりで基本的人権の普遍性に即して差別が批判されていて、まさに現代国家(共同体)・現代の法的原理の最低限が踏みにじられていることが語られています。

朝日新聞を新聞各社ジャーナリストは援護射撃してほしいと願います。
朝日新聞デジタル:新大久保の反韓デモ、救済申し立て 「身に危険の恐れ」 - 社会
by kamiyam_y | 2013-04-04 23:17 | 自由な個人の権利と国家

現代憲法の可能性

城南信用金庫、やっぱりおもしれーだす。自治体首長の脱原発会議。

http://bit.ly/Kkqstq

さて、憲法諸学説はまったく参照することなくただ思うに。

君主ではなく人民を国家の主体と宣言する人民主権、個人が生れながらにもつと想定される人権が公権力を規制すること、国家の争いを超える平和主義。このように表象される憲法の原理もまた、個人の労働と労働全体の媒介である経済の要素であるといえようか。

諸憲法の個性は存立しながら、近代憲法は資本のシステムの要素として、ある必然的な範囲のなかに意味をもってたえず再生産されている。

個人の労働という労働全体の要素を、労働全体から切り離されたものとして登場させる。それが商品生産である。

個人の労働と労働全体を媒介する前資本主義的な共同体が消失し、全面的な商品生産としての資本主義では、個人が全体から切り離されて現れる。

しかし個人という要素がそれだけで存在することはなく、要素を契機とする全体は、商品交換が実現していく。

全体は商品を原理とする。要素である個人は商品を内面化した全体の要素である。

個人は交換において、互いの交換物を目的としあい、相手も自分も物の手段におとしめている。交換に登場する個人は商品のいわば個人化である。

この個人の間で成立する社会は、原子による自覚的な共同性、すなわち契約的なものを中身とするものでなければならない。市民社会は商品を私的所持する個人の相互承認から拡がってくる。市民的個人は商品流通という社会的分業にその出生の秘密を有している。

封建制社会では社会的分業は、商品流通という物象的な形態ではなく、直接に共同的な掟の形態を取っていた。封建領主の行動原理の内容は土地所有であり、彼に支配される農奴の労働は、農奴という生産関係、封建制的諸関係において行われ、この諸関係を再生産してきた。土地という本源的自然の経済的形態、土地所有への個人の従属によって、社会的分業が実現してきた。共同体的掟による職業の規制、身分制による規制として、個人の労働の社会的労働への転換の封建制的形態をつかむことができる。個人はここでは全体に埋もれた存在であり、その手足である。

これに対して、資本主義では、社会的分業は商品によって規制され、商品は資本として自己を再生産する。資本の前提は、生産手段をもたない労働者が労働力を売り、全生産物が商品化することである。資本主義では、社会的分業、経済は労働力の売買により媒介され、その売買は商品所持者の相互承認、労働者と資本家との契約を手段とする。

資本の自己再生産という経済は、労働力の売買を手段とする目的であり、近代憲法を職業選択の自由に象徴させれば、それは労働力の売買のための手段として必然的となっているといえよう。労働全体の媒介の現実は、労働力の売買を手段とする資本にある。近代憲法は資本蓄積の不可欠の自己形態である。

しかし、資本に根ざして生まれでて経済から剥がれて現れる自由な法的個人、人民主権を担う個人は、資本自身を批判するモメントに転化する。

原生的な共同体を破壊する商品流通の普遍化、資本の文明化作用の意義なしに、変革はありえない。原生的共同体に依拠することはできない。人権主体としての自由な個人という形態を武器とすることなしに、地球経済として展開する資本を批判する生活の防衛も人間の防衛もありえないように思う。地球規模で深化する社会的生産過程を制御しうるのは自由な個人の民主主義(人権/憲法原理)の徹底以外にありえない。

現代憲法とは、個人が全体の犠牲となる経済の実態を批判する武器にまで、個人の人権と媒介されない裸の物象的世界を批判する武器にまで自身を鍛えあげ発展させざるをえない社会関係である。その線上で自身の限界を突破し、自身を支えていた土台をその限界を超出するように導く社会関係である。労働する諸個人の人権が資本を規制し、資本の規制は資本をその静かな、また決定的な眠りこみへと導引し全体化する。公権力の規制にとどまらず、私的諸資本という事実上の公共性を自由な労働する諸個人が制御すること。地球経済を協同制御すること。個別的労働と社会的労働の物象的媒介を人格的媒介へと、物象を原理とする経済による人間支配を人間を原理とする経済へと転換すること、現代世界をその真相の実現へと超出させる運動は、憲法的個人とよびうる自由な個人を梃とする。自由な個人は、資本の権力を導く単なる売買者というような孤立した抽象物にとどまらず、内面的充実、対象を包摂する鍛えあげを資本によって強いられる。協同する能力は原生的共同体の一員としてではなく、自由な人格を通して社会的労働を行う個人として鍛錬される。

(革命記念日に寄せて)
by kamiyam_y | 2012-05-02 01:37 | 自由な個人の権利と国家

人権の実現と科学(補足)

菅家さん、釈放されましたね。よかったです。前の記事に補足。

17年半ぶりに解放された喜びがどれだけ大きなものか、人生の貴重な時間を奪われたことに対する怒りがどれだけ深いものか。国家権力を担う人たちによる犯人捏造が破壊したのは、もちろん菅家さんの人生だけではなく、菅谷さんの親兄弟友人たちの人生でもあります。

共同通信から。

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060401000451.html

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060601000662.html

髪を引っ張ったり蹴ったりする取り調べもこれからはしっかり録画しましょう。監視カメラは権力の内部に向けて張り巡らされねばなりません。裁判への国民参加は当然国民による警察記録へのアクセス権なしには成立しませんし、裁判への国民参加は取り調べ過程の国民監視へと拡張されるべきものです。人民主権は「人民による人民のための」権力監視にまで徹底すべきもの。もちろん裁判員制度とはかかわりなく、裁判員制度以前に、取り調べ過程の可視化は重要であり、代用監獄などの冤罪の温床を破壊すべきなのですけど。国民に責任を転嫁するのではない国民参加というのなら徹底せよ、ってことです。
by kamiyam_y | 2009-06-07 22:03 | 自由な個人の権利と国家 | Trackback | Comments(0)

人権の実現と科学

自白ではなく最新の科学こそが決め手でしょう。

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060101000167.html

関連図書を1つ。

アメリカ合衆国における「取調べ誘発型の虚偽自白」を研究した、スティーヴン・A・ドリズィン/リチャード・A・レオ『なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する』(伊藤和子訳、日本評論社、2008年、原題"THE PROBLEM OF FALSE CONFESSIONS IN THE POST-DNA WORLD")。→bk1紀伊國屋書店(アマゾンとかジュンク堂とかでももちろんネット購入できます)。

「訳者あとがき」によると、合衆国では、DNA鑑定によって、陪審員による死刑評決の誤りが判明し死刑台から生還した人がなんと200人を超えるといいます(201頁)。恐ろしいです。冤罪は権力による拉致・監禁・殺人ですから。科学の発展がなければ、犠牲者になっていた人たちです。

このあとがきにも紹介されてますが、昨年10月に公表された国連自由権規約委員会の勧告はやっぱり重要(外務省仮訳)。

自由権規約委員会第94回会期ジュネーブ2008年10月13日-31日「規約第40条に基づき締約国より提出された報告の審査 自由権規約委員会の最終見解 日本」(2008年10月30日)

「主な懸念事項及び勧告」の18では、「代用監獄」廃止と警察記録へのアクセス権保障が、19では、「取調べの全過程について体系的に録音・録画」することが勧告されてます。当然じゃないでしょうか。

以上書き終わってから、ネットをチェックしてみました。少しだけですけど。

福島みずほのどきどき日記 国連の人権規約委員会勧告書
福島みずほのどきどき日記 ポルノ単純所持の処罰は妥当か
福島みずほのどきどき日記 児童ポルノについて
「なぜ無実の人が自白するのか  DNA鑑定は告発する 」の衝撃的事実 - 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
村野瀬玲奈の秘書課広報室 | 国連・自由権規約委員会による第5回日本政府報告書審査 (碧猫さん、Stiffmuscleさん、非国民通信さんの記事から)
民主党:【参院法務委】取調べ可視化法案可決 冤罪を防ぎ裁判員制度の前提条件として必要 松浦議員が質問

魚住昭『国家とメディア』(ちくま文庫)を読んでいたら、神奈川県警による盗聴事件で東京地検が警察官の逮捕も起訴もしていないことが出てきました(253頁)。法の支配は基準が明快で公平でなければなりません。お上が市民を恣意的に拘束することができないように客観的で明確なルールによって国家権力を制御するのは近代民主社会のいわば原点です。
by kamiyam_y | 2009-06-02 22:35 | 自由な個人の権利と国家 | Trackback | Comments(0)

公訴権の独占に対して

貨幣の流れに関して、「公開性」「透明性」を要求する声が高まること自体は、社会のそれなりの陶冶でしょう。とはいえ、恣意的な権力行使をこれは正当化するものではありません。

自民党代議士が西松建設からカネをもらい、その地元で西松が公共事業を受注しているケースがあるにもかかわらず、民主党小沢代表の公設第一秘書だけが政治資金規正法違反容疑で逮捕されたのは、やはり恣意的・裁量的なものといわざるをえず、小沢豪族が立派とはいわないですけど、公正性に欠けます。

横田一「自民から出馬を予定していた元秘書の胡散臭さ」、上杉隆「国会議員にも蔓延する不信感」、青木理「金額も罪状もお粗末」(いずれも『週刊金曜日』743号、3/20号)を読むと、こう評価するほかないように思えますね。また、青木の「リレー連載 新聞の通信簿」(『週刊現代』3/28号)も、日歯連事件や、三井環氏(『告発! 検察「裏ガネ作り』)の逮捕事件に触れ、この問題を論じてます。民主社会において公的権力の恣意的運用を防ぐこと、そのために権力を監視することの重要性をあらためて考えさせられるといいますか。

検察の異例の説明については、郷原信郎「ニュースを斬る 検察は説明責任を果たしたか」(『日経ビジネスオンライン』http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090324/189886/、2009/03/25)が、問題点をしっかり指摘しており、なかなか面白いです。書いてる人は、桐蔭横浜大学法科大学院教授で元東京地検特捜部検事。
by kamiyam_y | 2009-03-25 08:34 | 自由な個人の権利と国家 | Trackback | Comments(0)