さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

崩壊する医療

5月17日特大号「子ども格差」、7月19日号「『クスリ』大解明!」、8月2日号特大号「総検証ニッポンの老後」など最近の『週刊東洋経済』、ビジネスものから離れた特集が面白い。

紀伊国屋で『週刊東洋経済』のおいてある棚に行くと、8月9日特大号「世界複合危機」とならんで、似た雰囲気を醸し出している『エコノミスト』8月26日特大号「医療無残」、『週刊ダイヤモンド』8月9日・16日合併特大号「老後地獄」がおいてあり、買いました。

『エコノミスト』「医療無残」は日本福祉大学の近藤克則氏の論考(「英国型の公的医療費引き上げが必要」)をはじめとしてためになるところがありました。

大阪大学大学院教授堤修三氏による「後期高齢者医療制度はなぜ失敗したのか」は、単に老人保険制度に戻せばよいのではなく、健保や国保から高齢者を別立てにする制度設計に老人医療費を「重荷」とみなす発想が潜んでいることを問題としています(32頁)。たしかに。

自民党の内部からさえ、「姥捨て山」と批判されてますしね。

堀内光雄 Official Home Page 5月10日「『文藝春秋・6月号』に論文『後期高齢者は死ねというのか』を発表」http://www.mfi.or.jp/horiuchi/

ちなみに役所のホームページを観ると「後期高齢者」を「長寿」と言いかえてます。なんだかな。

『週刊東洋経済』8月2日特大号の特集「総検証ニッポンの老後」も後期高齢者医療制度の問題を扱っているのですが、省略。

ちょっと前の『週刊東洋経済』でそそられたのが、孫田夫「“勝手監査”で粉飾を暴く証券市場のドン・キホーテ」という記事(7月19日特大号、124-125頁)。

記事によると、粉飾決算を暴く中国のブロガーの話。ネット上で夏草という名乗るこの人は、会計監査の専門家で、上場企業の財務報告を調べて粉飾を暴露し話題となっているらしい。彼の指摘がきっかけとなった処分は、「04年以降、証券当局が処分した125社の20%」にあたるそうです(124頁)。合法性を破っても自分の儲けによって動く卑しい貨幣愛を人格化したアクターたちから悪意をもたれ、身の危険さえも感じているというのが悲しくて怖い。

『週刊ダイヤモンド』の「老後地獄」では、ちょっと気になった記事として、「訴訟にまで発展した『リーブ21』 発毛ビジネスに漂う暗雲」。専門家によると「科学的根拠に乏しく、医学的な治療でもない……」(81頁)とのことで、取材されている男性の話が数百万円もの大枚叩いて効果なしでかわいそうでした。
by kamiyam_y | 2008-08-25 22:32 | Comments(0)