さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

チョムスキーという権威

極めて悪質な煽動。こういうデマを拡散する連中は、関東大震災のときには虐殺に荷担したにちがいない。
広島土砂災害:空き巣で外国人犯罪の情報ない 広島県警 - 毎日新聞

これは二度観ました。アマゾンで昔ながらに暮す民ピダハンの言葉を習得した米国の言語学者のドキュメンタリー。彼は宣教のためにピダハンのなかに入るのですが、信仰なしにすでに幸福である人々と接するなかで自分の活動の意味を疑うようになり、信仰を捨て言語学者として活躍するようになります。
地球ドラマチック「ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民」 - NHK
ピダハン:みすず書房
ピダハンは現在を幸せに生きるがゆえにその文法に時制がない。数える必要がないので、数字もない。言語がいかに社会的総体性の分肢であるかが分ります。

ピダハンは接続詞をもたないため、文章を無限に伸ばしてくリカージョンをしない。この事実は、すべての言語にはリカージョンがあるとするチョムスキーの普遍文法論を覆すものであり、彼の発表した論文が言語学のパラダイムにかかわる論争を引きおこす。

驚いたのは、チョムスキーが人類には普遍的な文法が遺伝子レベルで存在すると主張していることでした。いろんな研究分野から批判されるべきでしょう。言語が生得的だの、本能だのって。チョムスキーってちゃんと読んだことはなく、あくまでもこの番組が伝えようとしていた内容を私が理解しまとめてるかぎりで批評してるだけですけど。

単にばかげた説というのではなく、ポストモダン的現代思想の欠陥がこのチョムスキーを貫いているように思えます。多様な人間性の発生根拠を言語に求めるのか、労働に求めるのかという分水嶺がここで浮かび上がります。労働する個人こそが、社会的総体性を自己の連関に包摂し、社会的総体性を前提して意識の実在性である言語という契機が存立する。これが解答。遺伝子に文法をスライドさせるのはほとんど血液型性格判断でしょう。
by kamiyam_y | 2014-08-26 22:38 | 学問一般