さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

Regulation of Hate Speech

日本の現行の法律の内部で、日本の今ある法律的手段を使って、ヘイトスピーチに対抗する方法を教えてくれます。
ヘイトスピーチ、在特会など提訴 在日朝鮮人女性:朝日新聞デジタル

悪意に満ちた掲示板まとめサイトも法的手段で制裁されます。当然の正義。
時事ドットコム:在日女性、在特会を提訴=「差別表現で苦痛」-大阪地裁

オリンピックを控え東京都知事が首相に国による規制を求め、自民党も検討チームを立ち上げる運びに。オリンピックで海外からの観光客に対して排外主義者による嫌がらせが起きたりすれば東京都・日本の大恥になるというだけではありません。今後本格化する労働力の国際移動に対してもしっかりした準備をする必要がある、多様な新移民の迎え入れ体制を整える必要がある、という点が規制の法的整備を推進する際の大義でしょう。
時事ドットコム:安倍首相、日韓改善に意欲=ヘイトスピーチ対策検討
ヘイトスピーチ規制へ自民、議員立法を検討 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

ヘイトスピーチ規制法をつくる方向に進んでいます。奇怪な街宣やネット上の醜い書き込みに興じる差別主義者に対して厳しい制裁を加えたいという規制法賛成論者の心情に人類の尊い精神が存在していることに間違いはなく、私もこういう連中を撲滅したいという心情を共有します。しかし、法務省に慎重な声があるという通り、問題をはらんだ法整備になる危険性があります。拙速な規制法づくりには反対ですが、つくるのであればせめて表現規制に対する慎重論が反映されたましな法にしなければならないと大変まずいと思います。

差別されるマイノリティの定義自体そもそも流動的ですから、技術的に難しいところが多大にありましょう。法律の対象としては、例えば、学問的な様式に則った戦争神社=靖国論という批評の形態をとらずに、信心に対する軽蔑的表現や、日本人総体に対する侮蔑的表現を用いて首相の参拝を批判をすることも、日米安保反対論において合衆国人総体を敵視し見下し罵倒する口調も、その範囲内となりえます。差別する側への批判を意図しているとしても法律の形式的対象としては差別主義者の発言と区別して救出することは困難でしょう。レイシズムを押さえるためにはそれもやむなしとしてそのうえで闘うべきなのでしょうか。表現の自由も人民主権も理解しない首相が推進しているのですから危険性大でしょう。
by kamiyam_y | 2014-08-18 23:39