さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

万国の正義 International justice

なぜ私たち全人類は愚かな戦闘を繰り返すのでしょうか?私は怒りと悲しみと絶望によって身体を引き裂かれる思いがします。

エンゲルスは1870年11月に、普仏戦争に対する時評で次のようにドイツ軍の蛮行を徹底的に批判しました。フランス人民の抵抗を怖れるドイツ軍は、「フランス軍を援助する町や村」を「ことごとく」焼き払ったが、1870年にこうした古風な無差別な「掃滅」は通用しない。かつて人民の抵抗を組織したプロイセンが、こんどは、フランス人民の抵抗を「匪賊行為」とみなして殺戮するのか、と。「民間人もしくはだれにせよ本来正規兵と認められない者の介入は匪賊行為と同一であり、人と剣をもって鎮圧してもよいかと主張しても、とうていとおるまい」と(「フランス国内の戦闘」『マルクス=エンゲルス全集』第17巻、大月書店)。

「下劣な交戦方法」は21世紀においてもまだ存在し、しかもそれは銃殺ではなく、ロケット弾による集中爆撃なのです。

労働者階級の生命力を、憎しみの連鎖を拡大する血の海に注ぎ込むことは人類最大の不幸です。

マルクスはインターナショナルでの呼びかけで、「フランスの労働者の声に、ドイツからこだまがかえってきた」と書いています。ドイツの労働者は「民族的敵対という考えを拒否して」、その大衆集会において「われわれは、あらゆる戦争の敵である」という決議を表明し、戦争に反対したのでした(「フランス=プロイセン戦争についての国際労働者協会総評議会の第1の呼びかけ」同上書)。

人間個人のかけがえのない命を国家権力が支配し消尽する不幸をなくしていく原動力は、人々の、まさに国境を越えた友愛と団結以外には絶対にありえません。
by kamiyam_y | 2014-07-21 20:14 | 現代グローバリゼーション