さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

警察権力の脱正統的使用

小沢一郎と民主党について吉本隆明がちょっと述べていることをそのうち紹介・批評しようと思っていたんですが、手元に資料がないです。片づけ苦手なもんで。すみません。たしか吉本は運動家あがりの人と、小沢のような政治のプロとが合流しお互いに学びあう点に民主党に期待できる意義を見いだしたうえで、二党以外の政党が視野から外されるのは面白くねえよ、みたいなことを言ってました。田中角栄をアジア的と評している吉本は小沢にも同じものを見いだしていたのだったかと。地域の共同性を中央にもっていって押し通す政治家。

まあ建設利権は一種の人治主義ともいえなくもない。

田中といえば、アメリカを怒らせてロッキード事件と言われてますが、さいきん小沢の今回の事件でも一部そういう憶測が流れてます。あの脱アメリカ的発言ですね。わかんないです。判断材料ないんですから単なる憶測にとどまります。

専制的王権であっても、複数政党を介さない一党政治であっても、形式的に複数政党制で一党支配が続く場合であっても、一般的に言えば、共同利害は転倒的な形であれ必ず反映されます。現代の成熟した社会ではなおさらのこと民意はどんな形であれ、権力に届かないなんてことはありえません。とはいえ、日本の民主主義の成熟にとっては、政権交代に対する畏れを乗り越えていくこと、政権交代を実現することが1つの重要な経験になりうると判断しているので、政権交代にとってマイナスになりうる要因として今回の事件は進歩の妨げといえるかと思えます。こうなってはここでありうべき前進は、、金返すですまそうとしている自民二階経産相ルートの疑惑を検察に平等に追及させることでしょうか。

http://www.excite.co.jp/News/society/20090307/Kyodo_OT_CO2009030701000806.html

で、今回の西松建設の事件に関連して。

「自民党議員に波及する可能性はないと思う」と西松建設献金事件に関して漆間巌官房副長官が述べました。もちろん大問題発言です。報道では最初「政府筋」なんてあいまいな言い方をされてましたが、自民党内部からの批判の声で暴露されてしまいました。

http://www.excite.co.jp/News/politics/20090308/20090308E10.007.html
http://www.excite.co.jp/News/politics/20090308/Kyodo_OT_CO2009030801000120.html
http://www.excite.co.jp/News/politics/20090308/20090309M10.067.html

この言い方は国策操作を匂わせますし、この人そもそも、警察を法ではなく政治家の意向によって動かしてもよい、政治のための事件づくりは認められる、とする考えをもっているらしいのですから。

そもそもこの人って、浅野史郎宮城県知事による警察裏金問題追及に対して反動的な(権力の自己維持的な)1つの反応パターンを示した人でした。

警察裏金問題といえば、現職やOBによる勇気と誠意ある内部告発によって、道新をはじめとする調査報道、ジャーナリズムの努力によって世論の関心の高まっていた問題。捜査報償費開示を拒否する県警に対して浅野宮城県知事が執行停止措置の決断を行ったことは画期的ですが、このときに上から激しく権力の拒絶反応を示してみせたと評されうるのが、当時警察庁長官であったこの漆間です。

この人について、『世界』3月号に掲載された青木理「ある警察官僚の軌跡」がとても参考になります。

青木氏の短いながら力のこもったルポは、警察庁長官時代には安倍前首相に接近し現官邸に入り込んだ漆間の軌跡を描きだしながら、「自治体警察」という「建前」と「国家警察」という「実態」の乖離など、民主主義を深めるための警察権力の管理のありかたについて考えさせる視点をいくつも提供していて、面白いです。
by kamiyam_y | 2009-03-09 22:50 | 民主主義と日本社会 | Trackback | Comments(0)
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