さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する

定額給付金

丸投げされそうな自治体から不満が噴出。

<全国市長会会長>定額給付金「無理なことやれと言ってる」 | エキサイトニュース

愚策というにつきるんじゃないでしょうかね。金を直接有権者に配ることが政策なんでしょうか。直接貨幣を納税者に戻すことが経済の実質において劇的な効果をもたらすとは期待しようにもできません。ちょっと安易すぎるように思えます。

亀井静香が「買収」と批判してますが、各社世論調査からすれば買収という基本性格を実現できないであろうほどに世間からの評価は低い。

鈴木棟一「麻生政権を窮地に追い込む定額給付金の大迷走」(『週刊ダイヤモンド』第96巻第45号、2008年11月)によると、首相は朝日新聞の世論調査結果について、朝日の調査は購読者ではなく不特定を対象としたものなのに、「朝日の購読者は所得が高いのだろう」と間違ったことを述べたらしい(136頁)。田母神問題ではまともに見えた麻生氏ですが、やっぱり呆れなくちゃならんのか。

八代尚宏国際基督教大学教授が道新で「消費」ではなく「投資」を促せ、と主張しており、面白く思えました。よく読むと私とは考えが異なるのですけどね。投資促進論には企業が儲かることしか考えていないのか、という批判も成りたちましょうが、基本は蓄積欲求の減退した資本が息を吹き返していくようにするように誘導することにあります。とすれば、資本総体がうまく回転するように環境を整えることが重要であり、それが消費を刺激する政策や、企業による資本投下を促す政策によってどの程度可能なのか、検討が必要です。

消費は資本を制約する重要な要因であるとはいえ、消費が経済を生みだすのではなく、資本という生産が経済を生みだしています。

鈴木氏の記事によると、吉川洋東京大学大学院教授は経済財政諮問会議で「むしろ低所得者に配るべきだ。社会政策にウェートを置いたほうがよい」(134頁)と述べたそうです。所得再分配によって資本の呼吸を整えてやれるのならば、あるいは資本投下の誘導をねらうのではなく、分配における大衆の権利を重視するのならば、それもよいオプションでしょう。多くの指摘があるように、二兆円を配りますよでは政策の焦点が定っていないというべきです。
by kamiyam_y | 2008-11-26 21:54 | Comments(0)